今年のはじめ、8K作品制作のため、SHARP(アストロデザイン)製8Kカムコーダー8C-B60Aでの撮影を行いました。
このカメラについてカタログからの基本スペックの抜粋です
◯Super35mmCMOSセンサー3,300万画素 8K60p対応
◯PLマウント
◯収録
SSD(専用)
Grass Valley HQX Codec(7680×4320 4:2:2 10bit)
フレーム周波数 23.98,24,25,29.97,30,50,59.94,60HZ
◯ガンマカーブ HLG/ Log
◯色域 ITU-R BT.2020/709
製品ホームページ
このカメラを使用して撮影を行うのは、今年と昨年と2回目になります。
私の勝手なイメージで、8Kカメラはきっと扱いが大変なんだろうな、と思っておりましたとが、このカメラ、一般的な放送用カメラと同じように取り扱うことでき、こんなにあっさり撮影できるのかと最初は驚きました。
外装の操作は一般的な放送用ビデオカメラ系の作りをしており、大きさも若干大きい程度。内部の設定はシンプル、インターフェイスも分かりやすく作られていますので短時間で把握でき、撮影中の設定確認も容易なところはストレスがありません。SSDのサイズは汎用のSSDよりも大きいですが、一般的な収録メディアのセッティングとあまり変わりません。
このカメラには、DF-3516という専用ビューファインダーが付属していますが、これが優れものです。今回、8K HLG/ITU-R BT.2020による撮影を行いましたが、8KHDRモニターなんて用意できないなあ、という環境で、このファインダーによって、8Kでは大変シビアなフォーカス(ピント)、明るさ、色調など、撮影現場で押さえるべきところは確認できます。
このファインダーについては次回の投稿でもう一度ネタにするつもりですが、昨年行なった実景(風景)の撮影などでも、このファインダーがあれば、カメラ単体での運用も不安が少なくなります。
8K画像はカタログ情報のように、SSDにGrass Valley HQX Codec(7680×4320 4:2:2 10bit) のデータとして収録されます。2TのSSDカートリッジで8K60p40分の収録が可能です。カタログ上1/7圧縮となっています。SDカードにプロキシ(軽いHD画像)収録もできます。
8K収録データもDaVinciResolveで扱うことができるので、今回の仕上げ作業は、
ポストプロダクション会社EXCEEDさんに多大なる協力をいただき、DaVinciResolveが組み込まれた4KHDRカラーグレーディングルームにて行いました。
気を使うところとしては、レクチャーされながら忘れがちになり現場で慌てる本番毎録画前のオートブラックバランス調整(FPN補正)、カタログ上4Kカメラの3倍以上の大きな消費電力(実際冬山でバッテリー交換早かった!)、最新の4Kカメラ程ではないダイナミックレンジ、などなどありますが、ご予算以外(これが大きいけど)、8K撮影への心のハードルを取り払ってくれるカメラです。
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